若冲展 釈迦三尊像と動植綵絵120年ぶりの再会 (後)

会場は大きく二つに分かれています。
①釈迦三尊像と動植綵絵の33幅の為の展示室と、②鹿苑寺(金閣寺)の襖絵を中心とした展示室。
会期中は②→①という順で観てもらうという事なのですが、昨日は①→②の順番で観せてもらい、学芸員さんの説明を受けながら作品を楽しむというものでした。
音声ガイドとはまた違った雰囲気で、若冲のひととなりや、若冲と相国寺との関係、そして相国寺の歴史なども織り交ぜて説明してくれました。


33幅が佇む空間に入った時、それは、まさに圧巻の一言でした。
正面には釈迦三尊像3幅、そして、その両側には動植綵絵15幅ずつが並んでいます。
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若冲の作品たちに囲まれている状態です。
動植綵絵は宮内庁から貸し出されている形なのですが、33幅を飾る事を基本に設計されているこの展示室ですごすひとときは、まさに至高のものでした。
廃仏毀釈から作品を守るため、また、相国寺を守るためとはいえ、120年弱も引き離されていた作品たちが、この場に集まった意味を感じることができました。

相国寺に揃っていた時も限られた機会でしか公開されていなかった事、平成11年から16年にかけて修復が行われた事、それらの条件が重なっていた事もあり、非常に鮮やかな色彩を見せてくれます。


僕にとって若冲といえば、鶏が印象深いです。

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     伊藤若冲《群鶏図》〈動植綵絵30幅の内〉/宮内庁三の丸尚蔵館蔵


上の群鶏図に観られる様な細かな描写。
羽根の流れや、力を持った眼。そのまま絵の中で動き始めてしまうんじゃないかと思うくらいの生命力や躍動感を感じます。

紅葉小禽図の中の「朱」は鮮やかな朱から枯れゆく朱へと変わっていく。
動物と植物のマッチングもまた楽しみのひとつでした。

緻密な描写と、大胆な構図と、興味を惹く色、それが絶妙なバランスでマッチングされているのが若冲の絵なのです。

学芸員の方の話にもあったのですが、若冲は自らを異質なものをとらえていたのか、その作品の中には多数の中にひとつ別の方向を向いている、別の事をしている、別の状態にある、別のものがあるといったものが、含まれている事があります。
昨年の「若冲と江戸絵画」展から、急速に高まった若者の中の若冲の人気の源はそんなところにもあるのかもしれないと思います。なにせ、「ナンバーワンよりオンリーワン」世代ですからね。
もちろん若冲の作品の魅力に惹かれてという部分が殆どだろうけど、若冲の生き方に共感してという人たちも少なくないと思います。

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第1会場の襖絵や水墨画もまた作品ごとの魅力があり、楽しませてくれます。
仏像好きな僕は毘沙門天の造形に目を奪われてしまいました。
これから行かれる方は釈迦三尊像と動植綵絵というメインディッシュの前に、第1展示室の作品の数々を存分に楽しんでくださいね。

わずか24名という人数でこれらの作品を堪能出来たのは本当にラッキーだと思ってます。
これを機にこういったネット発信者へのプレビューを増やしていけたらというのが、美術館の方の考えで、承天閣美術館が成功すれば京都府内に広がっていくだろうし、京都から近畿へ、近畿から全国へと広がってくれれば嬉しいです。

プロが観てメディアを通して伝える事によって人が集まっていた今までの展覧会が、観てみたいと思う人が見て、その人なりの思い、感想を伝え、それで人を集めようとしている、そんな環境を整えようとしてくれている事を凄く嬉しく思います。


宮内庁から貸し出されている事もあって会期はは22日間しかなく、次に33幅が揃う機会はいつになるのかが分からないとの事です。
そんな機会に立ち会えた事、本当に嬉しく思います。

ココを見て少しでも興味を持ってくれた人は是非承天閣美術館へ。
そして、「若冲と江戸絵画」展は東京、京都、北九州と巡り、今は愛知県美術館で開催しています。こっちもいいですよ。
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by revolvergdsd | 2007-05-13 16:51 | ART

5年ぶりに戻ってきたけど・・・今度こそ続くのか?


by revolvergdsd